お宿の調理師さんによる定期お勉強会が、今月も開かれました。
これまでの日本食のデザートのイメージといえば、「季節のフルーツ」が主でしたが、最近は、創意工夫をあしらったデザートも多くみられます。今回の勉強会では、アイデアにあふれた魅力満載の楽しいデザートを作る!をテーマに、各お宿の調理師さんが知恵を絞る勉強会となりました。
●鳴門そば粉クレープ 笹渕さん(登別温泉郷 滝の家)
そば粉クレープで巻いた蒸し羊羹です。素麺を工夫し粉雪でアレンジ。
盛り付けに純和風を感じるデザートでした。粉雪と落ち葉という組み合わせが、まさに今の季節にぴったりのイメージです。
●黒ごまプリンと甘酒のカクテル 逢坂さん(登別温泉郷 滝の家)
甘酒にりんごを加えた和のカクテルと、黒ごまと豆乳をベースにしたプリン。串ものは4種の菓子。
まるで栗拾いを彷彿させる、紅葉のなかに隠れたたくさんの木の実(お菓子)たち。落ち葉の中から探して食べるというワクワク体験がお膳の上で広がります。拾い上げるとカルカンの実、かぼちゃの実・・
●三種の羊羹 川村さん(登別グランドホテル)
自らが水菓子が大好きで、羊羹系を好んで食べるという川村さん。自分のすきな水菓子に挑戦したく、今回のテーマ「デザート」を提案。大好きな水菓子をアレンジしてきました。

(左)あんこと生クリームは相性が良いと思いますが、栗と小豆をホイップした生クリームを寄せたもの。(中)ゴマ羊羹と羊羹の二層。(右)白餡ベースのドライ入り羊羹。羊羹に甘酸っぱいドライフルーツが斬新です。
●南瓜羊羹小豆ソースがけ フックさん(登別グランドホテル)
寒天寄せになめらかさを出したかったので、ゼラチンを加えてあります。小豆ソースは少しとろみがついていて、紅葉の葉は南瓜のチップを使用しました。
南瓜のざらつきが少し気になるとフックさん。他のメンバーと共に、こし器を変えてみたらなど率直な意見を出し合いました。更なるバージョンアップになるのでしょう。
●フルーツ八寸 フックさん(登別グランドホテル)
少しづつフルーツを召し上がれるように、八寸に挑戦しました。母国のベトナムではよく使用するココナツを、和風と組み合わせてみました。
胡麻の黒あえを、葛シートで巻いたものにココナッツをトッピングしています。胡麻の風味とココナッツの斬新な風味が印象的。無は、日本酒と赤ワインでコンフォート仕上げをしてあります。それぞれのお酒の風味がそのまま梨に生きている味わいです。
●熊笹チョコレートフォンデュ 渡辺さん(ホテルゆもと登別)
登別の食材を使いたくて、「熊笹の粉」を使用してみました。熊笹の粉は、登別温泉街のお土産屋さんで専売しているものです。熊笹粉とホワイトチョコレートのフォンデュです。
●藤崎わさび園のわさび味噌パンケーキ 渡辺さん(ホテルゆもと登別)
こちらも登別温泉街、藤崎わさび園のわさびを使った開発中の商品「わさび味噌」をパンケーキに混ぜ込みました。味噌パンからヒントを得ていますが、出来立てはわさびの風味がしっかり効いているパンケーキです。
どのようにしてアレンジしたのか、なぜその工夫をしたのかを確認しあい、思い通りにいかなかった作品もそのまま持ち込んで、他の調理師さんからの意見を頂く。若手の調理師魂が、登別温泉のホテル全体のお膳のレベルを上げているようです。
次回の開催は年明け、お題は「一人鍋」です。