地獄の谷の鬼花火伝説

北の湯の国　登別の地に　
地獄の谷あり　大地が生きる証し
爆裂火口跡からは　天界の恵み　
万物効能の湯　沸き出でる

地獄の谷には薬湯を護りし、鬼神たちが住むという。
其の名を湯鬼神。

古き昔、鬼たちは人を苦しめる悪さを重ね
北の国を護る　蝦夷の神の怒りを受けた。
そして、万物効能の薬湯を護るという使命が授けられた。

登別の地　地獄谷
湯鬼神たちは、蝦夷の神との運命（さだめ）のとおり
夏、八十八夜、時津風の吹く時、地界に暮らす人々の為に
鬼火たいまつをかかげ、地獄の谷に其の姿を現す。

湯鬼神たちは　病気や災難、不幸などの厄を
すべて拾い集めしがために　太鼓を打ち、舞い踊る。

そして、集めし厄を焼き払い、
すべての人々の無病息災、開運招福を願いし打ち上げる。
湯の源、噴火にも似た鬼花火。